大判例

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大阪地方裁判所 昭和42年(手ワ)203号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕よつて被告が本件手形振出人としての責任を負うかどうかについて考えてみる。

<証拠>を考え合わせると大石博は、被告の取締役であつて代表取締役ではなかつたが、昭和四二年三月まで被告の本店が福岡県下に置かれ、その代表取締役が本店に常駐していた関係もあり、大阪営業所におけるすべての業務を統轄し、社員から社長とか専務とか呼ばれていたのみでなく、取引先からも社長などと呼ばれていたこと、大阪における被告の取引は、大石博とその弟大石満がその衝に当たり、銀行取引名義は被告名義を用いず、右両名の個人名義を用い、被告のために取引代金決済等の手形を振出す場合にも、右両名がそれぞれ自己の担当した分については、各個人名義の手形を振出しており、その支払は被告の資金によつてなされており、これらの事実については、被告の代表取締役において、少なくとも暗黙の裡にこれを承認していたこと、本件手形は、たまたま大石博が他から依頼されて融通手形として同人個人名義で振出したものを、右第三者の要求により被告の代表取締役大石博名義に書替えて振出したものであることがそれぞれ認められ、右認定を覆えすに足る証拠がない。

右認定事実から考えると、大石博は、被告のために手形を振出す一般的な権限を付与されていたといわねばならないから、かゝる権限を有する同人において振出した本件手形について、被告がその振出人としての責任を負うべきことはいうまでもない。(下出義明)

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